限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「お、大祐。そこ座れよ」
「うわっ……なんで?」
気づかぬ間に副社長が私たちのところに来ていて、驚く。兄は自分の後ろであり、私の隣である空いているスペースを軽く叩いた。
何でここに来たのか謎ではあるけれど、副社長がそこに座ろうとするから、私は母の方に体を寄せる。
運動会は最初の準備体操のような全体的ダンスがおわり、子供たちは自分の席へと移動した。次の競技の準備にと先生たちが忙しく動いている。
「真帆、これあげる」
「え、あ、ありがとうございます」
小さな紙袋を渡されて、私は他人行儀な返事をする。もし好きになっても手の届かない人と認識したから、親しく話さないでただの社員として、分をわきまえようと思う。
「そんな堅苦しくならないで。で、それ見てよ」
「えっと、はい……」
ならないでと言われても、無理だ。ある程度の距離を取ろうと今思ったばかりだから。
それでも、そっと袋の中を見る。
「えっ、金平糖?」
瓶かなにか硬いものだと手触りで感じてはいた。彼がくれたのは、透明な小瓶で蓋はアルミのもの。中に入っているのは、色とりどりの金平糖だった。
「うわっ……なんで?」
気づかぬ間に副社長が私たちのところに来ていて、驚く。兄は自分の後ろであり、私の隣である空いているスペースを軽く叩いた。
何でここに来たのか謎ではあるけれど、副社長がそこに座ろうとするから、私は母の方に体を寄せる。
運動会は最初の準備体操のような全体的ダンスがおわり、子供たちは自分の席へと移動した。次の競技の準備にと先生たちが忙しく動いている。
「真帆、これあげる」
「え、あ、ありがとうございます」
小さな紙袋を渡されて、私は他人行儀な返事をする。もし好きになっても手の届かない人と認識したから、親しく話さないでただの社員として、分をわきまえようと思う。
「そんな堅苦しくならないで。で、それ見てよ」
「えっと、はい……」
ならないでと言われても、無理だ。ある程度の距離を取ろうと今思ったばかりだから。
それでも、そっと袋の中を見る。
「えっ、金平糖?」
瓶かなにか硬いものだと手触りで感じてはいた。彼がくれたのは、透明な小瓶で蓋はアルミのもの。中に入っているのは、色とりどりの金平糖だった。