限りない愛~甘い彼に心揺れて~
どうして金平糖をくれたのかわからなくて、副社長と金平糖を見比べる。
彼は珍しく戸惑う。
「あれ? 今は好きじゃない?」
「あらー、懐かしい! 真帆、金平糖が大好きだったじゃない? よく覚えていたわね!」
私よりも母が反応した。私は「そう、だった?」としか返せない。
金平糖の記憶を探り寄せるが、なにも浮かんでこない。好きだったかもしれないけど、そんなにも好きだったのかな。
蓋を開けて、白い金平糖をひとつ食べた。かなり久しぶりに食べたそれからは懐かしい味がして、自然に口元が綻ぶ。
「美味しい」
「良かった。いつも金平糖を見るたびに真帆を思い出していたんだよ。今の真帆の姿ではなくて、子供の真帆なんだけどね」
目を細める副社長に昔の大ちゃんが重なる。おやつを食べているとき、大ちゃんはいつもこんな表情で私を見ていて、自分の分をなぜか私にくれた。
喜んで食べていたけれど、母にはふたり揃って注意された。私は『自分の分だけにしなさい』、大ちゃんは『自分で食べなさい』と。
『はーい』と返事はしていたけれど、大ちゃんはその後もこっそり私にくれた。それを見た兄が母に言って、また注意されたこともあった。
彼は珍しく戸惑う。
「あれ? 今は好きじゃない?」
「あらー、懐かしい! 真帆、金平糖が大好きだったじゃない? よく覚えていたわね!」
私よりも母が反応した。私は「そう、だった?」としか返せない。
金平糖の記憶を探り寄せるが、なにも浮かんでこない。好きだったかもしれないけど、そんなにも好きだったのかな。
蓋を開けて、白い金平糖をひとつ食べた。かなり久しぶりに食べたそれからは懐かしい味がして、自然に口元が綻ぶ。
「美味しい」
「良かった。いつも金平糖を見るたびに真帆を思い出していたんだよ。今の真帆の姿ではなくて、子供の真帆なんだけどね」
目を細める副社長に昔の大ちゃんが重なる。おやつを食べているとき、大ちゃんはいつもこんな表情で私を見ていて、自分の分をなぜか私にくれた。
喜んで食べていたけれど、母にはふたり揃って注意された。私は『自分の分だけにしなさい』、大ちゃんは『自分で食べなさい』と。
『はーい』と返事はしていたけれど、大ちゃんはその後もこっそり私にくれた。それを見た兄が母に言って、また注意されたこともあった。