限りない愛~甘い彼に心揺れて~
好きになってはいけない人だと自分に言い聞かせていたけど、惹かれていく気持ちを止めることは無理だった。

だから、認めないようにと封印していたつもりだった。でも、副社長を前にして訊かれたら、出てしまった『好き』の二文字。

伝えたことに後悔はない。


「俺の見るその瞳、きれいだな」


きれい?

副社長からは『かわいい』を何度も言われていたが『きれい』は初めてのような。本当に大人として見てくれているんだ……。


「嬉しい」

「ん?」

「きれいと言われて、嬉しいです」


満面な笑顔で副社長を見ると、彼は瞳を大きく見開いた。そして、その瞳は揺れ動いた。余裕のない意外な反応に私の心は大きく揺れ動く。

他の社員が知るクールな顔ではない。人間味のあるその表情に胸は高鳴る。

握られている手に力を入れると、副社長の体がビクッと動いた。


「まいったね……」

「えっ、何が?」

「もう一度キスしてもいい? させて」


またもや思いがけない要求ではあるが、断る理由はない。私は顔を赤くした状態で頷いてから、真っ直ぐと見た。
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