蜜月は始まらない
「……うまそう」
目の前に並ぶ料理たちを感心したように見つめ、思わずといった調子でポツリと彼がつぶやく。
口に合えばいいんだけど……。
ひそかに緊張しながら、私も彼の向かい側の椅子に腰を下ろした。
「いただきます」
「はい、いただきます」
ふたり揃って手を合わせ、いよいよ食事の時間だ。
同居生活最初になるお夕飯の献立は、オニオンソースをたっぷりかけた豚ロースのにんにく生姜ソテー、ささみときゅうりの梅しそサラダ、ひじきごはん、小松菜と豆腐のお味噌汁。
ちゃんと味見もしたし、我ながらおいしくできたと思う。
ビタミンB1~とかクエン酸~とか、ここまでしっかり栄養素のことを考えながら料理したのは久々だ。
まずはガブリとポークソテーにかぶりついた柊くんの様子を、箸を握りしめじっと見つめてしまう。
「うん、美味い。俺好きな味だ、これ」
「ほんと? よかったあ……」
好き嫌いは特にないと事前に聞いていたとはいえ、彼の反応にほっと息を吐いた。
やっぱり、自分が作ったものを誰かに初めて食べてもらう瞬間は緊張する。
しかも今回は、相手が柊くんだ。これまでさぞかし、いろんなおいしいものを食べてきたに違いない。
安心したら、私もおなかがすいてきた。
箸を持ち直すと、ひじきごはんをひとくち放り込む。
「この豚肉、厚いのに柔らかいんだな。にんにくと生姜きいててすげぇ美味い」
「へへ。お肉は筋切りして叩いておくと、柔らかくなって食べやすいんだ」
「そうなのか。このひじき入ってるごはんも、サラダも味噌汁も全部おいしいな……なんか悪い、テレビの食レポみたいにうまいこと言えなくて」
「ううん、全然! おいしいって言ってもらえるだけでうれしいよ」
目の前に並ぶ料理たちを感心したように見つめ、思わずといった調子でポツリと彼がつぶやく。
口に合えばいいんだけど……。
ひそかに緊張しながら、私も彼の向かい側の椅子に腰を下ろした。
「いただきます」
「はい、いただきます」
ふたり揃って手を合わせ、いよいよ食事の時間だ。
同居生活最初になるお夕飯の献立は、オニオンソースをたっぷりかけた豚ロースのにんにく生姜ソテー、ささみときゅうりの梅しそサラダ、ひじきごはん、小松菜と豆腐のお味噌汁。
ちゃんと味見もしたし、我ながらおいしくできたと思う。
ビタミンB1~とかクエン酸~とか、ここまでしっかり栄養素のことを考えながら料理したのは久々だ。
まずはガブリとポークソテーにかぶりついた柊くんの様子を、箸を握りしめじっと見つめてしまう。
「うん、美味い。俺好きな味だ、これ」
「ほんと? よかったあ……」
好き嫌いは特にないと事前に聞いていたとはいえ、彼の反応にほっと息を吐いた。
やっぱり、自分が作ったものを誰かに初めて食べてもらう瞬間は緊張する。
しかも今回は、相手が柊くんだ。これまでさぞかし、いろんなおいしいものを食べてきたに違いない。
安心したら、私もおなかがすいてきた。
箸を持ち直すと、ひじきごはんをひとくち放り込む。
「この豚肉、厚いのに柔らかいんだな。にんにくと生姜きいててすげぇ美味い」
「へへ。お肉は筋切りして叩いておくと、柔らかくなって食べやすいんだ」
「そうなのか。このひじき入ってるごはんも、サラダも味噌汁も全部おいしいな……なんか悪い、テレビの食レポみたいにうまいこと言えなくて」
「ううん、全然! おいしいって言ってもらえるだけでうれしいよ」