蜜月は始まらない
引っ越しの段取りや買い足す家具の確認のため、前回柊くんと会ったのは2月の後半だった。
そのとき私は遅ればせながらバレンタインデーに便乗し、思いきって彼に手作りのお菓子を渡したのだ。
まさか今になって、柊くんにバレンタインチョコを贈る機会が出来るとは思わなかったけど……なんのことはない、今後お世話になる彼に渡さない方が不自然だろうと、言い訳するように自分を奮い立たせた。
柊くんは一瞬驚いた顔をしながらも、すぐに微笑んで受け取ってくれて。
勇気を出して良かったと、私は心から安堵したのだ。
「返すよ、当然。ブラウニー美味かった。花倉はほんとに料理が上手なんだな」
「ふあ、あ、ありがとう……」
まっすぐに目を見つめて褒められ、ぼぼっと顔が熱くなる。
口数が多い方じゃない柊くんだけど、もともと素直な性格ではあるのか、褒め言葉もすごくストレートだ。
赤く色づいているであろう頬を隠すように視線を落とし、ボックスの蓋を開けてみる。
すると、中にはラッピングされたカラフルな金平糖が入っていた。
あたたかみのあるパステルカラーがかわいい。食べてしまうのがもったいないくらいだ。
綺麗な小物入れと、かわいらしい金平糖。
私のために……柊くんが、選んでくれたんだ。
そのことが、うれしくてたまらない。
思わずほうと息をついてから、顔を上げた。
そのとき私は遅ればせながらバレンタインデーに便乗し、思いきって彼に手作りのお菓子を渡したのだ。
まさか今になって、柊くんにバレンタインチョコを贈る機会が出来るとは思わなかったけど……なんのことはない、今後お世話になる彼に渡さない方が不自然だろうと、言い訳するように自分を奮い立たせた。
柊くんは一瞬驚いた顔をしながらも、すぐに微笑んで受け取ってくれて。
勇気を出して良かったと、私は心から安堵したのだ。
「返すよ、当然。ブラウニー美味かった。花倉はほんとに料理が上手なんだな」
「ふあ、あ、ありがとう……」
まっすぐに目を見つめて褒められ、ぼぼっと顔が熱くなる。
口数が多い方じゃない柊くんだけど、もともと素直な性格ではあるのか、褒め言葉もすごくストレートだ。
赤く色づいているであろう頬を隠すように視線を落とし、ボックスの蓋を開けてみる。
すると、中にはラッピングされたカラフルな金平糖が入っていた。
あたたかみのあるパステルカラーがかわいい。食べてしまうのがもったいないくらいだ。
綺麗な小物入れと、かわいらしい金平糖。
私のために……柊くんが、選んでくれたんだ。
そのことが、うれしくてたまらない。
思わずほうと息をついてから、顔を上げた。