御曹司は眠り姫に愛を囁く
「その後は…私は父の計らいで、強制的に海外赴任させられ、ずっと日本に戻って来れなかった・・・」

「・・・」

「そんな折、貴崎さんが手紙で私に真澄の事故死と娘の存在を教えてくれて・・・日本に戻って、君を引き取り、育てたかったが・・・それは出来なかった。
貴崎さん夫妻も長い間、子供が出来なかったと言う・・・だから、自分たちの娘として育てる・・・貴方の存在は隠し通すから、凛音には会わないでくれと言われた。
その後は長きに渡り、互いに連絡を取り合わなかった。でも、一年前・・・貴崎さんが勤める『近江建設』とビジネスでタッグを組むことになって・・・そのプロジェクトのパーティ-で再会した」



「父と仕事をしたんですか・・・」

「まあな。
貴崎さんは私にいつも持ち歩いている君の成人式の振袖写真を見せてくれた。
私は驚いた。君が真澄に似ていたから・・・」

「柘植社長・・・」

「君はまだ、独身のようだね。交際している男性は居るのか?」


「いえ・・・」


「そうか、なら・・・今はまだ・・・明かせないが、私の会社と業務提携する会社の御曹司と見合いしないか?彼は名家の家柄で・・・」

「見合い・・・ですか?」

「私も貴崎さんも、君には幸せになって貰いたいと常々思っている。
頭の片隅にはおいておいてくれ」



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