御曹司は眠り姫に愛を囁く
「そっか・・・やっぱり・・・」

「わかります?」


「その男のコトが忘れられないんだね・・・」

稜さんが初めての男性。

デートもキスも夜も全部、彼が初めて。

――――でも、彼は別の女性と授かり婚した。

彼の全部を忘れたくて、会社も住む場所も変えた。

「その男を忘れたければ、他の男と付き合うコトだ。
そうしたら、全部、忘れられるよ。貴崎さん」

須藤さんは遠回しに
『俺と付き合え』と言っていた。


「すいません・・・私にはできません・・・」

「貴崎さん・・・」


須藤さんは素敵な男性だけど、稜さんと全て被っていた。

同じ会社で御曹司(!?)


一度目の失敗は仕方がないけど、二度目の失敗は学習能力のない馬鹿な女にしかならない。


「返事は保留にしていい?俺、拓也に君を紹介された時から、ずっといい子だと思っていたんだ。
同僚になるし、仕事に私情の挟むのはどうかと思ったし、ずっと今まで…告白できなかったんだ・・・」
私はこの会社の正社員第一号。その二号が須藤さん。
当時の須藤さんは大手ゼネコン『桐生建設』に就職していて、設計部門で大きなプロジェクトの仕事に携わっていた。


「須藤さん・・・」

「だから、真剣に考えて欲しい・・・」

「…わかりました・・・」

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