World End 〜七情の泉〜
「少し…私のお話しをさせて頂いても宜しいですか?」
「え、あ、うん……」
リタの真剣な表情を見た翼は足を床に下ろし、手を膝の上に置いた。聞く準備は万端だ。
「私は名ばかりの貴族なのです」
「ん? どういう事? 貴族は貴族なんじゃないの?」
「いいえ、貴族にも下から上があります。 私の家は貴族ですが、下も下……家計に余裕などなく、使用人を一人として雇うことができませんでした」
翼の中での貴族とは、悠々自適な生活を送っているものだとばかり思っていた。貴族にランクがある事も初耳だった。
「私の父はお人好しで…困っている人を見つけると放っておくことができない人でした。 病院に行けない人、ご飯が食べられない人……そういう人を見かければ手を差し伸べる……だから、私たち家族は贅沢をする余裕などなかったのです」
「そっか、リタの優しさはお父さん譲りなんだね」
「ふふっ、ありがとうございます」
照れた様な…だけど心から嬉しそうな笑顔を零した。つられる様に翼も口元を綻ばせた。
「お金がなくとも、周りの貴族たちから馬鹿にされようとも父や母、兄妹達の温もりを感じるだけで幸せでした。 けれど、その幸せは突然奪われてしまいました。 ある日弟が森で迷子になってしまい家族総出で探しました。 その時魔物に遭遇し、私たちを庇った父は傷を負い、その姿を魔物へと変えてしまいました」
_え?
「ちょ_待って! なんで? 怪我しただけでしょ? なんで魔物になっちゃったの!?」
「泉の水の影響だけではなく、魔物に噛まれたり傷をつけられたものも穢れを受けるのです」
ガイアからは聞いていなかった話に絶句した。
_何それ!! もっとちゃんと説明してよ! そんな話聞いてない……!
「え、あ、うん……」
リタの真剣な表情を見た翼は足を床に下ろし、手を膝の上に置いた。聞く準備は万端だ。
「私は名ばかりの貴族なのです」
「ん? どういう事? 貴族は貴族なんじゃないの?」
「いいえ、貴族にも下から上があります。 私の家は貴族ですが、下も下……家計に余裕などなく、使用人を一人として雇うことができませんでした」
翼の中での貴族とは、悠々自適な生活を送っているものだとばかり思っていた。貴族にランクがある事も初耳だった。
「私の父はお人好しで…困っている人を見つけると放っておくことができない人でした。 病院に行けない人、ご飯が食べられない人……そういう人を見かければ手を差し伸べる……だから、私たち家族は贅沢をする余裕などなかったのです」
「そっか、リタの優しさはお父さん譲りなんだね」
「ふふっ、ありがとうございます」
照れた様な…だけど心から嬉しそうな笑顔を零した。つられる様に翼も口元を綻ばせた。
「お金がなくとも、周りの貴族たちから馬鹿にされようとも父や母、兄妹達の温もりを感じるだけで幸せでした。 けれど、その幸せは突然奪われてしまいました。 ある日弟が森で迷子になってしまい家族総出で探しました。 その時魔物に遭遇し、私たちを庇った父は傷を負い、その姿を魔物へと変えてしまいました」
_え?
「ちょ_待って! なんで? 怪我しただけでしょ? なんで魔物になっちゃったの!?」
「泉の水の影響だけではなく、魔物に噛まれたり傷をつけられたものも穢れを受けるのです」
ガイアからは聞いていなかった話に絶句した。
_何それ!! もっとちゃんと説明してよ! そんな話聞いてない……!