おはようからおやすみを笑顔で。
すると斉野くんは急に……


「やっぱり俺も行く」


と言い出した。



「え? どうしたの、急に」

「気が変わった」

「気が変わったって……たった今まで〝行かない〟って言っていたのに」

「男の方が多いとか言われたら心配になるだろ」

「え……?」


心配って……私が誰かになにかされるかもとか、そういう心配?


「な、なにもないよ。同級会だよ? みんな、昔からよく知ってる人なんだよ?」

「よくは知らないだろ。ずっと会ってなかった奴ばかりなんだから」

「それはそうだけど、別に……」

「ごちゃごちゃうるさい」


強めの口調でぴしゃりとそう言われ、思わず背筋を伸ばして「はいっ」と答えた。


「じゃあ、凛花ちゃんに斉野くんも来るって連絡しておくね。事前に人数把握したいみたいだから」

「ああ、わかった。それにしても凛花のやつ、同窓会の幹事なんてめんどくさそうなこと、よく率先してやれるよな」

「え?」

「ん? 俺、なにか変なこと言った?」

「あ、ううんっ」


つい、彼からパッと目を逸らして、携帯の画面をタップして凛花ちゃんにメッセージを打っていく。


……今、斉野くんが凛花ちゃんのことを〝凛花〟って呼び捨てにしたことがなんとなくモヤッとした。


別に、おかしなことじゃない。斉野くんと凛花ちゃんは仲が良くてよく一緒に話していたし、あの頃からお互いに呼び捨てで呼び合っていたと記憶している。

大体、私は斉野くんの彼女でもないくせに、彼が他の女の子を呼び捨てするのが嫌だなんて、心が狭いにもほどがある。


だから、こんな風にモヤモヤしたのはきっと気のせい。


その後私は凛花ちゃんへ【斉野くん、参加してくれるそうです】というメッセージを送った。
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