戦乱恋譚
オカルトや霊には無縁で生きてきた私。もちろん霊感なんてない。そんな私が、人外のものを召喚するなんて。
しかも、“神さま”。
ザザザザッ!
しかし、敵は目の前まで迫って来ている。伊織さんの言う通り、迷っている暇などない。この状況を打破するためには、私の可能性にかけるしかないのだ。
ポゥッ…!
鶴の依り代が、光を帯びた。手の中で脈打つ折り鶴に、意識を持っていく。
「“神聖なる式神様。力を持って依り代に宿り、我に仕えよ。”」
顕現録に記された言葉を、ゆっくりと紡いだ。
ゴォォォッ!!
私から放たれた霊力が、足元に大きな陣を敷く。光を帯びた依り代が、どくん!と大きく脈打った。
伊織さんと綾人が目を見開いた瞬間。私は高らかに叫ぶ。
「“折り神、顕現!”」
パァァァッ!!
「「「!!」」」
辺り一帯が光に包まれた。それは一瞬の出来事で、その眩さに誰もが目をつぶる。