戦乱恋譚

ブワッ!!


放たれた月派の霊力は、先程までと桁違いだ。ビリビリと空気が震える。

攻撃に身構えた瞬間、先代はその瞳を輝かせた。


「…目障りな陽派め。顕現録を渡して、さっさと消えろ…っ!!」


ゴォォォッ!!


放たれた式神が、波のように押し寄せた。とっさに虎太くんが光の壁で凌ぐものの、その勢いは衰えない。


…ビキ…ッ!


『!!』


大きな亀裂が見えた。圧倒的な力の差に、愕然とする。


『壁が壊される!早く逃げろ!』


千鶴の鬼気迫った声が響いた。


バキン!!!


光の壁が砕け散ると同時に、伊織に庇われながら倒れこむ私。虎太くんを抱き上げた千鶴も、間一髪で空へと舞い上がった。

先陣切って襲いかかってきた式神を素早く仕留め、槍を奪った伊織だが、その敵の数の多さに険しい表情を浮かべる。案の定、千鶴と共に敵の群れの中に果敢に挑むが、キリがないようだ。

と、その時。十二代目の視線が、ギラリと私をとらえた。目をつけられたと思った瞬間、ぞくりと震えが走る。


「折り神を顕現できる女など、陽派には要らん!!佐助、女を捕らえろ!」


『!』



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