戦乱恋譚
私の呟きに、きょとん、と首を傾げる彼。
“何語?”といった様子の顔に絶望感が込み上げる中、何かに気がついた様子の青年が声を上げた。
「そういえば、以前書庫で、異世界から来た人間がいたという歴史を記した書物を読んだことがあります。…まさか、貴方はそれと同じ…?」
「き、きっとそうです!その人は結局、どうなったんですか?!」
まさか、先人がいたなんて。
すると彼は、腕を組んで静かに答えた。
「…確か、“とりっぷ”とやらは決まって満月の日に起こり、時空の歪みとともに現れて、人間を元の世に返すと聞きます。…書物が正しければ、ですが。」
(!)
つまり、トリップの周期は満月と同じ“1ヶ月”。
空が晴れわたってしまっている以上、私は来月の満月まで待つしかない。
「嘘でしょう…?!」