Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
 廊下に出ると、リビングのドアから光が漏れているのが見える。

 (もしかして、雨宮さんはまだ起きてる?)

 早めの夕飯と入浴を済ませて、いつもより早い時間に寝室に送り出されたので、雨宮がまだ寝ていなくてもおかしくはない。

 ゆっくりドアノブを回して扉を開くと、思った通りの人がそこにいた。

 「千紗子。どうした?眠れないのか?」

 ラフなスエットの上下を着て、ソファーに体を預けた雨宮の膝の上にはノートパソコンがある。
 
 「…お水を頂きたくて。」

 「喉が渇いたのか。待ってろ。」
 
 「自分で注ぐ」と千紗子が言う前に雨宮が立ち上がって、キッチンに行ってしまった。

 程なくして、雨宮がミネラルウォーターを入れたグラスを持って戻ってきた。

 「座って。」

 促されるままにソファーに腰を下ろす。

 「はい、どうぞ。」

 千紗子が座るのを待って、雨宮は彼女にグラスを手渡した。

 「ありがとうございます。」
 
 グラスの水を一口飲むと、冷たい感触が喉から体にすべり落ちて、気持ちいい。
 思っていたより喉が渇いていたのだ、と千紗子は気が付いた。
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