Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
スーパーで買い物を済ませて雨宮のマンションに戻った千紗子は、着替えと手洗いをしてから早速夕飯準備に取り掛かった。
スーパーで買い物をする時に、千紗子は何を買うか悩んでしまった。
雨宮の家にいるのは、明後日の日曜日までにしようと千紗子はあらかじめ決めていた。お世話になったお礼をせめて数日間の食事の用意で返せたらいいと思ったからだ。
今日から明後日までの三日間、いったい雨宮に何を作って出せばいいのか、そもそも雨宮の食の好みすら知らないことに、千紗子は初めて気付いたのだ。
とりあえず一般的ないくつかの料理を頭に思い描きながら、食材を選んでいく。
雨宮が料理をしないことは良く分かったので、三日後に食材を残されても困るだろうと考えた千紗子は、使い切れるだけの食材を選んだ。足りなくなったら買い足せばいいだろう。
オリーブ油や調味料、簡単に一食作れるパスタや乾麺、それらは使いきれなくて雨宮が要らなければ、千紗子が持って出ればいいか、と思ってあまり考えずにかごに入れることにした。
「よし。あとは温めたら食べれるわね。」
千紗子が今日の夕飯として準備したのは、肉じゃがとほうれん草の胡麻和え、豆腐とワカメの味噌汁だ。
定番中の定番な献立だけど、遅番の雨宮が帰ってくる頃には肉じゃがにいい感じに味が滲みているだろうし、この料理を嫌いな人をあまり聞いたことがないから、とりあえず様子見もあって、今日のメインに選んだのだった。
千紗子が壁にかかった時計を見ると、時刻は八時になろうとしていた。
まだ雨宮が帰ってくるまで一時間はある。
先に風呂を済ませて置こうと、千紗子はバスルームに向かった。