Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~


 翌日泣きはらした瞳で仕事に向かった千紗子に、美香がいち早く気付いて声を掛けてきた。

 「千紗ちゃんっ!どうしたの!?何かあったの!?」

 彼女の慌て振りに、千紗子は力なく首を左右に振る。

 「なんでも、ありません……。」

 「そんな顔して、なんでもないなんてことないでしょ!?鏡を見た?酷い顔してるわよ。もしかして嫌な視線のことと関係ある?」

 自分よりよっぽど青い顔をした美香を見て、千紗子は微苦笑を浮かべる。

 「美香さんが心配しているようなことは何も。」

 そう。ただ短い間に、二度目の失恋を経験しただけだ。

 千紗子の返事に、納得出来ないと眉を寄せた美香だったが、遅番の彼女は千紗子とは入れ替わりで業務に入ることになり、詳しいことを聞けずじまいになったのだった。

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