Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~



 「えっと、一彰さん…?」

 「ん?どうかしたのか、ちぃ。」

 ショッピングモールで必要なものをあれこれと買い込んでから、一彰の車で帰宅した場所に、千紗子は困惑していた。

 「あの、私の引越しの段ボールまでここに持って上がることはなかったと思うのですが……。」

 買い物の荷物も結構な量だったけれど、それに加えて裕也のマンションから引き上げてきた段ボール三箱をも、一彰はマンションの部屋に持って上がってきた。

 ここが自分の部屋なら、千紗子も困惑することはない。
 けれど、ここは一彰のマンションの部屋なのだ。

 「どうして?これはちぃが暮らすのに必要な物なんだろう?」
 
 小首を傾げて眼鏡の奥の瞳をきょとんと丸くする。
 
 「はい…だからそれらは自分のマンションに持って帰ります。」

 千紗子はてっきり一彰は荷物を千紗子のマンションに持って行ってくれるのだと思っていた。
 一彰が千紗子と荷物を送って帰った後は、その荷物を整理して過ごそうかと思っていたのだ。
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