Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「お待たせしました。聖夜のスペシャルメニューです。」
やってきた恵実の両手両腕にはいくつもの皿が乗っている。
「うちの本業はフレンチなんだけど、今日は我が家のクリスマスメニューと同じ、ということで、ちょっと家庭向けのものになってるから、取り分け式にしたの。ごめんなさいね。」
「ありがとう、恵実さん。イブの家族団らんに無理を言って割り込んだのはこちらなので、謝るのはこちらの方です。」
「ありがとう、一彰君。もういっそ我が家にご招待したいと思ったのだけど、それじゃデートにならないでしょ?また今度、うちにも遊びに来てね、実咲たちが楽しみにしてるから。」
「ええ、もちろんです。」
聞くところによると、天道家の自宅はここから徒歩五分のところにあるらしく、今夜も料理を出し終えたら一旦帰宅して子ども達とホームパーティを楽しむ、とのことだった。
「冷めないうちに、頂こうか。」
「はい。」
色とりどりの料理が美しく盛り付けられたお皿が、テーブルの上には並んでいる。どれも美味しそうで千紗子は目をキラキラと輝かせた。