Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
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「う、うぅっ、」
ベッドに横たわって目を閉じたままの千紗子が、苦しげに唸る。雨宮は彼女の頭をそっと撫でた。
(少し熱が出てるな。)
ショッピングモールの書店で千紗子が裕也と遭遇した時、雨宮はちょうど書店のレジで会計をしているところだった。
会計を済ませると、他の客の視線が入口の方に集まっているのが目に入った。
千紗子と待ち合わせの時間が近付いていた為店を出ようと出口に足を向けると、男が大きな声でに何かを怒鳴っていた。その男に両腕を掴まれて顔から色を無くしている女性は、千紗子だった。
雨宮は飛び出すように二人の間に割って入った。
ひどい言葉を一方的に千紗子に投げつけた裕也が去って行った後、千紗子はその場に崩れ意識を失った。
雨宮はその彼女を抱えて車に戻り、自宅マンションへ戻って来たのだ。
それから千紗子はもう数時間眠ったままだ。
額には汗をかいて、時折今みたいにうなされて苦しそうにしている。
汗を拭いてやる時に、熱が上がっていることに気が付いた。
氷水で冷やしたタオルを彼女の額に乗せてやると、眉間のしわが少しだけ緩んだ。
「一人で苦しむな、千紗子。」
雨宮はもう一度千紗子の頭を撫でてから、そのてっぺんに唇を落とした。