Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~


 「千紗子はベッドを使って。俺は書斎で寝るから。」

 風呂を終えて戻ってきた雨宮が、千紗子にそう告げる。

 「雨宮さんがベッドを使ってください。私はここのソファーで全然、」

 「具合の悪い千紗子をソファーでなんか寝かせられない。」

 千紗子の言葉を遮った雨宮が、首を横に振る。

 「でも…」

 「ここで寝るってことは、夜中に俺に襲われたいのか?」

 「え!や、そんな…」
 
 「それが嫌ならベッドルームに行きなさい。その部屋は鍵もかかるから安心していい。」

 「雨宮さん…」

 雨宮が言っているのが、自分をベッドに追いやる口実だと分かる。
 そう言わせているのは自分なのだと、千紗子は口をつぐんだ。

 「すみません…今夜はお言葉に甘えます。」

 千紗子が頭を下げると、雨宮はその頭をポンポンと軽く叩いた。

 「ああ、しっかり寝て早く元気になるんだぞ。おやすみ、千紗子。」

 「おやすみなさい…」
< 98 / 318 >

この作品をシェア

pagetop