24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「回りくどいのが嫌いなので、失礼を承知で申し上げます」
「どうぞ」
立花は、拓也の前置きに余裕を返す。
「今回のことは、仕事に私情を挟まれていますよね?」
「飯島さんの仰る通りですが、問題ございますか?」
(予想通りだ)
拓也が思っていた通りのカードを切ってきたので、立花はますます言葉少なになった。
こういう相手は、喋らせるが勝ちなのだ。言わなくてもいいことを口にして、墓穴を掘るに決まっている。
そう考えた立花は、焙じ茶を啜り、雪が舞い始めた外の様子を眺めた。
立花の問いかけに答えない拓也に、最後の時間を与えたが、それでも口を噤んだままだ。
「では、私もハッキリ申し上げます。……私情を挟もうがなんだろうが、ここは、私の店ですのでこちらの自由です。それに、飯島さんのような信頼のない方が勤めている企業様とは、お取引が出来かねると申し上げているのです。当然のことと思いますが、ご意見があればどうぞなんなりと」
相変わらずゆっくりした話しぶりでありながら、冷静な声色で一気に話した立花に圧倒され、拓也は苦虫を噛んだような表情を向ける。