24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~

 階段を上り、2階の奥にある寝室のドアを蹴り開ける。
 伊鈴をベッドに座らせ、コートとブーツを脱がせると、自身も足袋を脱ぎ、コートと羽織をソファの背に掛けた。

 身体を這うようなワイン色のニットワンピースを着ている伊鈴を見下ろして、ゴクリと喉を鳴らす。
 凹凸がくっきりしているそのスタイルは、初めて抱いた夜から立花を虜にしている。

 彼は、衣擦れの音とともに帯を解き、錫色の着物を床に放った。
 紐をほどいた正絹の長襦袢を羽織ったまま、伊鈴に覆い被さる。

(……煌さんの匂いがする)

 白檀の香りまで着ているような彼の素肌に、伊鈴は手を滑らせる。
 光沢のある白い襦袢と触りのいい立花の肌にうっとりとしながら、吐息を混じらせた。


「この服、かわいいけど、俺といる時だけ着て」
「どうして?」
「他の男の目に、触れてほしくないから」

(そんなの、煌さんだって……)

 伊鈴は、その場にいるだけで人目を引き、微笑みひとつで女性を虜にする立花が、人たらしであることに最近気づいたばかりだ。

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