24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
(えっ……これって……)
交際前にもらった名刺を前に、伊鈴は驚きを隠すことなく立花を見る。
「ここと取引があったんですか?」
「先代から、空港の土産屋に商品を置いてたんだ。でも、次の担当が気に食わないから、取引をやめることにしたよ」
「でも、そんな理由で」
「いいんだよ。あんな男がいる企業とは、取引したくない」
ぐいっと猪口を傾け、一気に日本酒を煽った立花は自分で徳利から注ぎ足した。
「いい仕事をするには、相手を選ぶのも必要だよ。自分が選べる立場にいるなら、躊躇なく切るだけのことだ」
(私のためじゃないんだろうけど、それでも少し気が晴れたかもしれない)
裏切られたものの強く出れず、真実を探ることなく時間に任せて解決していた伊鈴は、立花の決断に胸がすく思いだった。