24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「結婚するかもしれないとか、勝手に夢見てバカみたい……」
口を割ったが最後、溜め込みひた隠しにしていた感情に、どんどん引火して爆発していく。
「私の友達と……会社の同期なんですけど。そっちと付き合うって。結婚前提って告白されたらしいんです」
立花はなにも言わず、頷きで相槌を打ちながら、伊鈴の声に耳を傾ける。
しかし、俯きがちだった伊鈴が、突然がばっと顔を上げた。
「27歳になるまでの2年も、一緒にいたんですよ!?」
その勢いに圧され、立花は涙を拭っていた手を引っ込めて、じっと見つめる。すると、じわじわと大粒の涙が再び伊鈴の瞳に浮かんだ。
「大丈夫です、十河さん。お話して、全部吐き出していいんですからね」
「ううっ……わぁーーん」
また泣き崩れた伊鈴に少し身体を近付け、そっと肩に触れてなだめる。
(泣きたくもなるよなぁ。よほど好きだったんだろうし)
あまりにもひどい失恋をした当日に出会うとは、これもなにかに運命なのかと、立花は背中に流れる伊鈴の髪を撫でた。