24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「十河さん?」
「んー……大丈夫、です」
「大丈夫じゃないよね? 起きれる?」
「……はい」
返事の反応が鈍い。
立花は彼女の手からペットボトルを抜き取って、再びそっと抱き上げてベッドへ運んだ。
(あぁ、また面倒をかけちゃったな……)
伊鈴は身体が思うように動かせなくなりながらも、立花に申し訳ないと心で詫びる。
(帰らなきゃ……。立花さんにこれ以上甘えられないもの……。でも、もうちょっとだけ横になったら、きっと大丈夫だから……)
「十河さん、無理しないでいいからね?」
「んー……」
立花の呼びかけに答えようにも、口まで重たくなってきた。
(どこまでも最低な誕生日になればいい。ひとりで寂しく過ごすよりよかったと思えばいいだけだもの。今夜は、人の優しさに触れただけ。それに、大人はこういう過ごし方だってすることもあるはず……)
伊鈴は、酔った頭でこの夜を正当化しながら、深い眠りに吸い込まれていく。