24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~

 リビングに通され、さっきまでいたホテルの部屋のような広さに目を瞠る。


「そこのソファに座ってて。すぐに着替えてくるから」
「はい……。あ、お気遣いなく!」
「わかったよ」

 気の利く立花に先を越されまいと、伊鈴は先手を打った。


 いったいどれほど広いのかと、ソファから眺める。
 ダイニングとキッチンまで繋がっていて、伊鈴が暮らす1DKが、3部屋くらい余裕で入ってしまいそうだ。

 天井も高くて開放感があり、右側に視線を向ければ芝生の庭があった。

(こんな生活をしていて、非の打ちどころのない素敵な人には、恋人くらいいるよね……)

 伊鈴は、こうして時間を使ってくれるのはありがたいけれど、立花の恋人に申し訳なくも思った。
 実際に自分が裏切られたばかりだから、余計にいたたまれない。
 もし彼の恋人に知られたら、昨夜のことも含めてお詫びしなくてはならないだろう。

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