24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「お待たせ。行こうか」
本当にものの数分で戻ってきた立花は、リビングの入口から声をかけた。
(……かっこいいなぁ)
薄手の白ニットのVネックは、着物姿とはまた違う色気がある。シンプルな黒いパンツは、隠されていた長い脚が強調されて、モデルさながらのスタイルについ見惚れてしまった。
「どうした?」
「あっ、いえ……なんか別人みたいだなぁって」
「あぁ、着物とはギャップがあるでしょ?」
ソファから腰を上げて、立花が待つ廊下へ向かう。
「ちょっとはドキッとしてくれた?」
「えっ!?」
隣に立つ立花が、真剣なまなざしで問いかけてくる。思わずその表情に吸い込まれてしまいそうで、伊鈴は言葉をのんだ。
「冗談だよ。さて、出かけよう! 今日は最高の1日にするから」
立花が差してくれるネイビーの傘に入り、自宅を後にする。
片腕にはレザージャケットをかけ、足元も草履からローファーに変わった彼からは、ほんのりと白檀の香りを感じた。