24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「どこか行きたいところとか、やりたいことはあるの?」
「……なんでもいいんですか?」
「もちろん」
「じゃあ、私も着替えたいです」
「そうだね。まずはそこからだ」
立花はゆっくりとガレージから車を出した。
「家、茗荷谷だよね?」
「はい」
昨日のことをすべて覚えていそうな立花に、伊鈴は相変わらず申し訳なさでいっぱいだ。
「立花さん、今日本当に予定はないんですか?」
「ないよ。この天気だし、家でゆっくりするくらいだったかな」
「……本当ですか? もし、彼女さんがいるなら、会う約束がなかったとしても、やっぱりこういうのは」
車が減速して、赤信号で停まった。
立花は、助手席に乗せた伊鈴をまじまじと見つめて、ふっと口元に笑みを浮かべる。
(昨日のこともあって、気にしてるんだろうな。自分が裏切られたばかりなのに、そんなことまで考えてくれるのか)
伊鈴の優しい性格に触れ、甘やかしたい気持ちと意地悪してみたい気持ちが交錯する。