24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「そんな心配しなくていいんだよ。裏切るようなことはしないから、大丈夫」
「そうですよね……。すみません」
どちらとも取れる言い方に、伊鈴はそれ以上聞くのをやめた。今日は彼に従うしかなさそうだからだ。
少なくとも、この雨が止むまでは。
15分ほどで、立花が表参道の一角のパーキングメーターに車を停めた。助手席側に回った彼は、ドアを開けて伊鈴をエスコートする。
「少しだけ寄り道させて」
帰ったら、立花を待たせずに着替えられるよう、頭の中でクローゼットの中を思い出していた伊鈴は、返事をして傘に入った。
(立花さんに合わせて、私もあまり堅苦しくない格好の方がよさそうだなぁ。雨だから白いボトムは避けないと……。休みだし、スカートを履いてもいいかなぁ)
「ここに入ろう」
立花が連れてきたのは、ショーウィンドウに着飾ったマネキンが並ぶセレクトショップだ。
なぜここに寄るのかと不思議に思っている間に、彼に背中を押されて店内に入ってしまった。