24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「言ってよ。本当はこんなことがしたかったとか、あんなデートがしてみたかったとか、言いたくても言えないでいたんだろ?」
「なんでそんなことまでわかるんですか……」
我慢していた2年分の涙が、時間をさかのぼった思い出とともに滲んでくる。
最初からずっと、拓也に嫌われたくなくて合わせてきた。
彼が褒めてくれる服装はヘビロテしたし、こんな女が嫌いだと言われたら、そうならないように気を付けた。
わがままの片鱗を出して煙たがられたら、いつか叶えてほしいだけと言ってごまかした。
それでも、愛してくれていた。好きと言ってくれるだけで、幸せになれた。
「あぁ、もう泣かないの。せっかくかわいくメイクしてるのに」
「ううっ……」
立花はニットの袖を少し伸ばして、伊鈴の涙をそっと拭う。
それでも止められなくなった涙は頬を伝って、買ってもらったばかりのスカートに落ちた。
「っ!?」
不意に視界が上に向いて、立花と見つめあう。
顎先に長い指が添えられていると気づくと同時に、彼がわずかに身を乗り出した。