24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~

「とりあえずカフェでゆっくりしようか」
「えっ、いいんですか?」
「ダメな理由なんてないよ」

(わー……もう1つ目のワガママ、叶えてくれちゃうんだ……)

 拓也に言えば、話すだけのためにカフェに行く意味が分からないと言われ、叶ったことはなかった。食事をしながらだったら文句はなかったようだけど、まったりと時間を気にせず、座り心地のいいソファ席で話すのに憧れていたのだ。


「雨だから、テラス席は期待できないけどいい?」
「大丈夫です! 私が行きたいのはソファ席なので!」
「まさか、そこにこだわってるとは思わなかったなぁ」

 あはは、と笑う立花の横顔に胸が疼く。
 失恋したばかりなのに、どういうわけかきゅんと音を立てた胸に、伊鈴はそっと手のひらを当てた。

(私が優しさに飢えてるだけよ)

 傷心の誕生日明けに、こんなに優しくされたら、きっと誰だって……。

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