24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
13時過ぎ、立花が連れてきたのは、六本木の複合施設にあるカフェ。
混雑する時間帯なのに、この店だけは喧騒を逃れるようにしてほどよい静寂を保っている。
ゆったりとしたソファ席がメインの店内には、滝のようなウォータースクリーンがあり、バーを思わせる明るさの照明がムードを作っていて、まさに大人の隠れ家といった雰囲気だ。
伊鈴はショコララテ、立花はオリジナルブレンドコーヒーを頼んで、ソファに身体を預けた。
「こういうところに来たかったんです!」
「そうなの? もっと開放的で景色が見れる店の方がいいのかと思ったりもしたんだけど」
「混みすぎず、かといって空いてなくて、大人が来るようなところがよかったんです。でもそんなカフェってなかなかなくて」
店内を見渡してから、耳を澄ませてジャズの音に呼吸を合わせる。
伊鈴のそんな仕草にも、立花は耽るように見入ってしまった。
注文したものが届き、それぞれ口をつける。
うどんだけではきっとお腹が空くから、途中でなにか食べに行こうと立花が誘うと、伊鈴は迷うことなく頷いた。