24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~

「したいことなら、もう叶ってるよ。今、デートしてる」

 嬉しそうに笑って答える立花に、伊鈴はまた胸の奥を疼かせる。

(立花さんって、無自覚で女の子を寄せ付けるタイプだろうなぁ)

 もし彼が会社にいたら、誰よりも人気があっただろう。
 取引先に拓也ではなく立花がいたなら、昨日のように別れを選ばなかったかもしれない。

 そもそも、彼なら……。


「話変わるけど、昨日のことはどこまで覚えてる?」
「実は、話してる時は覚えてたんですけど、酔って寝て起きたら、結構断片的で……」
「そっか」
「すみません、散々愚痴を聞いてもらったのに」
「いや、いいよ。俺も、もっと愛していたかったんだろうなぁっていう、十河さんの気持ちが聞けて、泣いてた理由も分かったし」

 自分の傷ついた心に触れ、撫でるように癒してくれた記憶が、少しずつよみがえる。
 どんなに泣いても、慰めてくれた。
 自分を卑下すれば、掬い上げてくれて……。

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