略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「美郷ちゃん以外の人をこうやって食事に誘うことはないよ」
期待通りの言葉に、美郷の胸は素直にときめきを覚える。
「逆はあるけどね。でも、あくまでビジネスとしてでしかそういう場に行かないから、女性と二人きりになることはないよ、絶対に」
まだ何にも口をつけないまま、真っ直ぐに美郷を見つめる匠海の真摯さに嘘偽りは見えない。
だからこそ、美郷は哀しくなった。
陽翔は、つまり“そういう人”なのだと知らされた気がした。
このまま話が進み、結婚したあと、他に食事をしたりする女性がいる夫を待つ自分を想像してしまった。
美郷は【U&Kグループ】の家に据え置かれるだけの【ただの嫁】になるかもしれない。
思い描いていた幸せな家族とはかけ離れたものに、ますます心と頭が重くなる。
「俺はどうなのかって聞くってことは、“誰か”は、違うのか?」
ぎくりとしてサーモンをつついていたフォークが止まった。
どうしてそうやって、匠海は美郷のことをよく見てくれるんだろう。
「なるほど。つまりそれが、婚約者さんのことってわけか。
ねえ美郷ちゃん、一体何があった?」