略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
その通り、お見事だ。
何も言えずに、ただこくりと頷いた。
ひとりで抱えていた不安を匠海が請け負ってくれたようで、フォークを握りしめた手から力が抜ける。
「どこで見た?」
「昨日……妹と行ったカフェで」
「そう。
相手の女性が、身内か仕事関係の人っていう可能性は?」
「わかりません」
美郷はうつむいたままかぶりを振った。
あんな女子だらけの店を接待に使うだろうか。
やはりどう考えても、あの女性は陽翔と親密な関係にあるようにしか思えない。
匠海のフォローも、あの二人の雰囲気には敵わなかった。
「聞いてみた? 婚約者さんに。相手が誰なのか」
「いえ……」
「まあ、怖くて聞けないよな」
少し離れた距離に座っていた匠海が、美郷の方に身体を向けた。
自分だけに向けられる匠海の意識に、緊張と羞恥を誘われ肩に力が入る。
「それ、他に誰か話した?」
「いえ……誰に聞けばいいのか、わからなかったので……」
「そうか。
ひとりで抱えてたんだな。辛かったろ」
そう言われて、美郷はふっと顔を上げた。