略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
黙り込む美郷の頬に、匠海がおもむろに掌を添えてきた。
こんなに大胆に触れられて驚かないわけはなく、びくりと大げさに肩を揺らしてしまう。
強張る美郷に構わず、匠海のあたたかな指は頬をなぞり下りる。
「こっち見て、美郷」
顎までたどり着いた長い指に誘導され、匠海へと顔を上げさせられる。
心までも貫くような真っ直ぐな眼差しが、美郷を捕らえた。
「そんなやつと結婚するなんて、君は幸せになれるのか?」
見つめられるだけで、心臓が正常に脈を打てなくなる。
美郷を誘導した指は離れてしまったのに、匠海の瞳は目を逸らさせなかった。
「俺なら、こうやって君ひとりで悩ませたりしないし、不安があればそれも拭ってやれる。
忙しさにかまけて、美郷を放っておいたりしない。
そんなやつと結婚するより、俺といた方が絶対幸せになれる」
力強い言葉が、美郷の胸をこれでもかと掴んでくる。
顔が真っ赤に上気し、匠海を見つめる視界がじわりと滲んだ。