略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 結婚したい……?


 匠海の心まで届く眼差しに、初めて自分に疑問を呈した。

 匠海からの質問に、はっきりそうだとは答えられなくて、美郷は自分に確かめるように震える口唇を開いた。


「両親もお見合い結婚なんです。ふたりともとても仲睦まじくて、娘の目から見ても恥ずかしくなるくらい幸せそうで。
 私も自分が育ってきたそんなあたたかな家庭を築くことに憧れているんです。だから……」


 両親のように幸せになりたいと思っている。

 そうなるためには、まず“結婚しなければいけない”。

 祖父が紹介してくれた人なのだから、信用には事足りる。

 あとは相手に会いさえすればきっと――――。

 美郷は自分の決意の揺らぎに気づいていた。

 これだけ不安を煽られている相手との結婚に、自分の理想が叶えられるのか。

 今まで信じていたものを覆すのが怖くて、必死に自分を奮い立たせる。


「それは、ご両親が運命の相手だったからじゃないのか?」


 無理矢理自分を納得させようとしているところを匠海が遮った。
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