略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

「大丈夫か?」


 今度こそ本当に鼻血を出してしまっただなんて、あまりに恥ずかしすぎて顔を上げられない。

 血まみれのティッシュを手の中に押し込めて、うつむいたまま小さく頷いた。


「大丈夫、です……」


 か細く呟くと、ほっとしたような溜め息を吐いた匠海は、そっと美郷の頭を撫でて抱き寄せた。

 たくましい胸にとんと頭を持たせる。

 だめだとわかっているのに、全部を包み込んでくれるような頼もしさに、胸はときめいきに啼いた。


「鼻、どうした」

「いや、あの……」


 当然に見つかった血の滲むティッシュ。


「何考えてたんだよ、鼻血出すなんて」

「何、ってその……」


 ふっと笑いを零す匠海に、今すぐこの場から消えてしまいたくなった。


「倒れたって、まさか俺とのこと考えて鼻血噴いてたのか?」

「そっ、それは……っ」

「可愛いな、美郷」


 羞恥を煽る匠海から逃げようと身体をよじっても、たくましい腕は美郷を離してはくれない。

 それどころか、横からぎゅうっと強く抱きしめてくる。
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