略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「いえ、一緒には行けません。ごめんなさい」
うつむく前とは打って変わって、落ち着いた顔をした美郷。
きっぱりと断った美郷に一瞬驚いたものの、それがどうしてなのかに気づく匠海は、真っ直ぐに見つめ返した。
「また結婚したくない相手のこと考えてるのか」
匠海の言い方が刺々しくて耳が痛い。
「したくないとかそんなんじゃ……」
「じゃあ、したい? 結婚、そいつと」
「そう決まってますから……」
「俺が聞いてるのは、美郷の気持ちがどうなのかだ。家の事とか関係ない。
俺は、そいつから美郷を奪って結婚したいと思ってるけど」
「……!?」
あまりに唐突で、大胆な言葉に目を剥く。
「そんなに驚かなくても、当たり前だろ。好きなんだから」
飄々と宣う匠海は、美郷を抱き寄せて、またキスしようとする。
たくましい腕からは逃げられず、せめてもと顔を背けた美郷の頬に、匠海の口唇は押し当てられた。