略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 掬い上げられた頬はたぎるように熱く、匠海を見つめる瞳は、どうすればいいのかと救いを求めるように震えた。


「その顔……欲情するなって言う方が無理だろ」


 後頭部を押さえられ、もう逃げることなんて許されなかった。

 深く合わされた口唇は、心同士をひとつに重ねようとする手段のよう。

 美郷の心を引きずり出そうとする匠海の熱が、舌に絡んで苦しい。

 こんなに想いをぶつけてくれているのに、それに応えられなくて苦しいのだ。


「このままここに閉じ込めておきたい」


 キスの合間に言われた言葉に、小さくかぶりを振る。

 一緒にいて欲しいのだと伝わってくる匠海の気持ちが嬉しいのに、それができない現実がもどかしい。


「わかってるよ、美郷には帰る家があるからな。ご両親に心配かけるようなことはしない」


 すっかり腫れぼったくなった口唇を軽くついばまれて、胸はぴょこりと脈を乱す。
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