略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 しゅんとなる自分の胸に気づいて、ぱちぱちと瞬きをする。


 ……私、どうして淋しいなんて思ってるの……?

 
 自分の気持ちに驚いていると、通話を終えスマホをしまった匠海の意識がこちらへと戻ってきた。

 目が合うだけで、胸はどきりと飛び跳ねる。


「なんて顔してんだよ」

「え?」


 仕事の顔を消し、目元を緩めてふっと甘い表情へ変わる匠海。


「帰りたくないってここら辺に書いてある」


 大きな掌に頬を包み込まれて、優しい親指で柔らかく擦られた。

 図星を突かれてはっと息を呑むと、匠海はまたキスをしてきた。


「今度の日曜、ここにおいで」


 きらめく琥珀の瞳と、あまりにもとろけるような甘い声で言われたから、催眠でもかけられたようにこくりと頷いてしまった。

 心がぽかぽかとあたたかい。

 これからどうすればいいんだろうと気が重かったはずなのに、いつのまにかふわふわとした匠海のあたたかさに心が凪いでいる。


「でも、匠海さん……私……」


 そこに水を差す自分の現状に、胸がチクリと痛んだ。
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