略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「婚約者のこと気にしてるんだったら、向こうだって同じだろう? おあいこだよ。
それに俺はもう、そいつとは結婚させないつもりだから。
美郷は俺がもらう」
一瞬過った痛みを匠海はあっさりと取り払う。
「本当は美郷の手を引いて、あちこち出掛けたい。俺のものにするんだって、周りに見せつけたいけど……今はまだ、美郷の立場が悪くなるだけだから。
一緒の時間過ごすなら、ここが最適だろ」
美郷の手を拾い、長い指を絡めてくる匠海。
彼は一方的に、自分の気持ちを押し付けているだけではないのだ。
美郷の状況も立場も、全部わかってくれている。
そして、そんな彼がとても頼もしい。
このまま匠海といられれば、きっと心満たされる幸せを手にできるような気がした。
少なくとも、陽翔と結婚するよりは――――。