略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 本当なら、こうやってふたりきりで会うなどあってはいけない。

 休日に匠海に会っていたとなれば、本当に言い訳が立たなくなる。

 そもそも、誰かに見られることを危惧するなら、会わないことが最善なのに。


 ――――『美郷は何も悪くない。俺が会いたいだけで、美郷はそれに無理やり付き合わされているだけだから』


 しかし匠海は、何度も断る美郷に免罪符をくれた。

 それで自分が犯している背徳行為が許されるわけではないけれど、胸の奥で疼く気持ちは匠海の優しさにほだされていた。

 匠海の自宅近くの駅に着いたら、あとは10分ほど歩けばいい。

 駅からも緑溢れる大きなマンションが見えていたから、迷うことなく目的地に着いた。
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