略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
 軽々しさのない凛々しい話し声の匠海。

 いつもと違う彼が、なんだか知らない大人の男の人みたいだと感じた。

 何も普段から美郷のいる銀行へ遊びに来ているわけではない。

 当然、仕事で来ているのだから、彼がいつだって真剣に立ち振る舞っているのを知っている。

 たしかに好きだのなんだの言われてきたけれど、美郷とは必要以上の近しい関係になった覚えもない。

 それなのに、真剣に仕事の話をしているだけでほんの少し遠くに感じるなんて。

 自分のおかしな感覚に、どうしたものかと戸惑いながら、本部長に残業の許可をもらって足早に信託課の島に戻った。



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