略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
玄関のオートロックの音は遠く、あたたかな腕の中で匠海の少し早い鼓動を聞いた。
「美郷、俺のこと好きになったって……本当?」
勢い余って口走った自分の言葉を、匠海が受け流すはずがなかった。
思い起こした自分の発言に、真っ赤に染まる顔を上げられなくなってしまった。
「もう一回聞きたい。美郷の口から、美郷の気持ち」
ぎゅうっと強く抱きしめられて、胸が苦しい。
匠海に持たせたままだった袋が音を立てると、不意に息苦しさから解放された。
「これ、何買って来てくれたんだ?」
「……チーズ、スフレ……」
「これにはあっさり答えるんだな」
ふてくされながら言った答えにも少しも気を悪くしない匠海は、ふふと軽く笑う。
「コーヒー淹れるよ」
匠海に手を拾われて、いつものようにリビングのソファに連れられた。