略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「俺は、美郷が好きだよ。そうやって拗ねるところも、ちょっと早とちりするところも、全部」
「陽翔さんとの婚約、なかったことするためにそうやって……きゃっ……!」
匠海が言うように拗ねた言い方をしてみせると、美郷の身体はひょいと抱え上げられる。
突然のことにぎゅっと目をつむる美郷は、匠海の膝の上に横抱きに座らされた。
「その話、一から全部説明したいけど、美郷を傷つけないために、俺に対する美郷の気持ちが必要なんだ」
頬にあたたかな掌がそっと添えられて、琥珀の瞳から真摯な気持ちが降り注いでくる。
匠海にじっと見つめられて胸がときめかないわけはなく、顔の熱さが匠海の掌に伝わっているかと思うとますます羞恥が膨らんだ。
「美郷の気持ち、もう一回ちゃんと聞かせて」
さっきは勢いで口にした自分の気持ちを、今度は待ち望む彼にあらたまって伝えるだなんて、そんな羞恥があるだろうか。
「美郷」
やんわりと美郷を急かす匠海は、もう美郷の気持ちはわかっているのだ。