略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
頬のくすぐったさに目を開けると、カーテンから零れる橙色に照る琥珀の瞳が美郷を優しく見つめていた。
「はよ」
まったりとした声音に、心臓がぴょこんと飛び跳ねる。
肘を立てて抱えていた頭を落とし、匠海は美郷の額に掛かる髪を払いそこにふわりと口づけた。
「大丈夫か?」
「……はい……」
心配してくれる理由に、顔を真っ赤に染めながらおずおずと頷いた。
いつのまにか匠海の匂いで満ちたベッドにいたことにも鼓動が逸る。
いつどうやって寝室に来たか覚えていないのに、女を開花させる瞬間のことはしっかりと身体が覚えていた。
少しばかり鈍い痛みが残っているけれど、それをも凌駕する満ち足りた多幸感に、辛さは微塵もなかった。
やんわりと瞬いた琥珀の瞳が迫って来て、今度は口唇にキスされる。
食むられる優しさは、雄々しい欲を荒らげていたさっきとはまったく違うものだった。
「美郷……好きだよ」
「……匠海さん」
瞳に色香を揺らし、素肌を合わせながら匠海が上にのしかかってくる。
匠海の重みは苦しいものではなく、美郷の全部を包み込んでくれる安心感にそっと目を閉じた。