略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 思い出すだけで胸と頬が熱くなる。

 何よりも美郷を大切にしてくれているとわかる彼の想いがこそばゆくて、それに幸せを感じていることが嬉しかった。

 
 ……匠海さんは知ってるのかな、私が同行するって。


 イブのサプライズプレゼントのお返しに、ちょっとしたドッキリを仕掛けているようで、なんだかわくわくする。

 何かプレゼントを考えていたけれど、喜んでもらえると分かっていて驚かすのは何度だっていい。

 仕事中に不謹慎だと思いながらも、匠海と会えることは素直に喜んでもいいだろう。

 時間を前に資料を確認しようと、佐藤代理に顧客名を訊ねた美郷は思いがけない取引相手に目を剥いた。


「【U&K百貨店】に向かいますよ」


 たしかに大口の取引相手だ。

 美郷もよく知っている。

 自分の婚約相手が取り仕切る企業なのだから。


 まさか、陽翔さんが立ち会うとは限らないよね。

 経理の方が手続きしてくれるかもしれないし……。


 このタイミングで、陽翔と顔を合わせる可能性が出てくるとは思いもしなかった。
< 180 / 241 >

この作品をシェア

pagetop