略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

「新規申込みの書類と個人情報保護の承諾書、ありますか」

「は、はいっ」


 ふたりの様子に気づかない佐藤代理に言われて、持ってきたバックから書類を取り出す。

 佐藤代理が匠海へと話を振ってくれたから、応接室が沈黙に押しつぶされることはなかった。

 数分もしないうちに、三人がいる部屋の扉がノックされる。

 三人ともがさっと起立をすると、扉を開けた優花梨に続いて部屋に入ってきたのは、あのときカフェで見た匠海に似た顔立ちをした長身の男性だった。


「お待たせして申し訳ありません。
 総支配人の結城です。この度はご足労いただき、ありがとうございます。
 本来なら私から成京さんに足を運ばなければいけなかったのですが、年末ともなりますとなかなか自由が利かなくて」

「とんでもございません。うちをご指名くださっただけで、本当にありがたいことですから」


 隣で深々と頭を下げて挨拶をする佐藤代理の声が遠い。

 テーブルを挟んだ向かい側に、陽翔がやって来た。
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