略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「不躾なお話をしてしまいましたね、申し訳ありません」
「いえ、構いませんよ。その手の話は日頃から聞き慣れていますので」
「引く手数多でしょうね。その若さで企業を牽引なさっていて、加えてイケメンでいらっしゃるから、女性からのアプローチは止まないでしょう?」
「そんなことないですよ。この仏頂面ですからね。第一印象から怖がられてしまって」
ご謙遜を、と笑う佐藤代理は、控えていた優花梨に開けられた扉をくぐっていく。
あとについて美郷、匠海も廊下へと出る。
三人揃って挨拶をし、陽翔と優花梨へ頭を下げてからエレベーターホールへと向かった。
「結城部長、今回は本当にありがとうございました」
「いえ、こちらこそ。いい契約ができてよかったです」
陽翔のいなくなった空間は、ほっと息を吐けるほど軽いものになった。
結局、陽翔と話をするどころか、目も合わせてくれなかった。
やはりこれまで会ったことがない美郷に気づいていなかったのか。
それはそれでなんだか残念なような気がする。