略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「今車から降りてきてたでしょ。2階から見えたんだけど。結城家とのお食事会流れたからって、誰と会ってたの」

「会ってた、って……そんなんじゃなくて、彼は……」

「かれっ!!」


 真顔からかっと目を見開いた愛結。

 我が妹ながら愛らしいと思っていた顔が、おぞましいほどの驚愕の表情を見せる。

 その口から飛び出た大きな二文字が、吹き抜けの玄関ロビーにうわんと響いた。


「やっぱり男の人……っ!」

「ちょ、ちょっとっ、愛結!!」


 美郷は荒ぶる愛結の口を慌てて塞いだ。


「そんなに大げさに反応することじゃないから! 取引先の人だから! 資料とか渡してたら遅くなって送ってもらっただけだから!」


 愛結だけにしか聞こえないよう、小声で叫び必死に弁明する。

 その間も、美郷によく似た妹は細めた目で姉の言い訳をあしらった。


「ふーん、お姉ちゃん、なかなか婚約の話進まないからって、他にいい人見つけて……」

「だから、そんなんじゃないの!」


 口を塞がれふごふごと言葉をこもらせながらも詰めてくる妹に、美郷は焦りと羞恥で顔を赤くした。
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